縄文の神様‐白山社・菊理媛神(ククリヒメの神)
遠州森町に小国神社という神社があります。遠江国の一宮として知られ、本宮山の山麓より湧きいずる清流宮川のほとりに鎮座しており、
大己貴命(おおなむちのみこと)(大国様)を祭った出雲系の神社です。
杉木立の中に鎮座する荘厳な雰囲気の素敵な神社で、秋には紅葉の名所としられ、多くの参拝客でにぎわいます。奥宮のある本宮山の登山道の入口まで
脇を流れる清流の宮川沿いに遊歩道が整備されていています。その遊歩道の中ほど、少し山側に上ったところに白山社という小さなお社があります。
この白山社に祀られているのが。白山(菊理媛姫)ククリ姫です。lここからは私の私信のお話です。日本の正史である古事記とは若干違いますが、まあ素人の戯言と思ってお読みください。
白山(菊理媛姫)ククリ姫は宇宙の根源紳(最高神)のあめのみなかぬし(天之御中主紳)から分かれた神様です。
同じく天之御中主から別れた高皇産霊神(タカミムスビの神)=父性神、と同様に菊理媛神(ククリヒメの神)=母性神 は天照大神よりも、すっと高位の神様です。(ムスビ・ククリとは古い縄文時代からの大和言葉です。)
しかし、現在では大和王朝の神=天津神の陰に隠されている大和王朝以前の縄文文明の神々のおひとりなのです。このククリヒメは山神さまとして崇拝されており、昔は猟師が山に入るときや、山伏が入山するときに、男のいちもつ(いわゆるムスコ)を見せて山神様の機嫌をとってから山に入ったと言い伝えられています。山は本来女性神の領域で女人禁制の場所だったからでしょう。桃太郎のお話でおじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯にいきますが、おばあさんは山へ芝刈りにはいけません。
大和の神さまが日本の神道の中心になってからも、民衆からは縄文の神さまが密かに崇拝され、大和政権も特にそれを禁止したり弾圧したりはしなかった。それどころか密かに保護してきた、そこが日本人の懐の広さなのかもしれません。
小国神社へ行きましたら、ぜひ白山社にもお参りしてくださいね。
追伸
この遊歩道の先に本宮山への登山道の入口があると書きましたが、その本宮山の頂上には磐座があるということです。つまり、小國神社の本当の本体が本宮山にあるという事になります。いずれ山を登って磐座を訪ねてみたいと思います。(やっぱり山に登る前にムスコを見せなきゃダメかなぁ)(笑)