読者の皆さんこんにちは。
ONESTEPのヒロです。
今日はたまたま仕事で静岡県は川根本町に行きましたので、その帰りに川根町にある野守の池に立ち寄ってみました。

いきなり話が脱線してしまいますが、この川根町は今は島田市に編入され島田市川根町になっていますが、以前は榛原郡川根町でした。
以前は川根と言えば榛原郡川根町・中川根町・本川根町の3つの町に別れていましたが、平成の大合併で、平成20年に川根町だけが榛原郡を離脱し島田市に編入され、中川根町と本川根町が一緒になり榛原郡川根本町となりました。
よって川根と言っても島田市と榛原郡で広域自治が違うと言う何ともアンバランスな感じがするのです。

大井川筋に位置する川根は島田市の金谷から千頭までを結ぶ大井川鐵道が有名です。
今は全国的にも珍しい蒸気機関車SLが走っています。
これに加えて期間限定ではありますがトーマスも走るのはこの大井川鐵道だけです。
週末にはSLファンやトーマスファンがこの川根町から本川根町へ訪れ賑わいを見せています。

その島田よりの川根町家山にひっそりと佇む野守の池は、私がまだ小学生の頃父親に連れられて来た思い出の場所でもあります。
当時、野守の池には今は珍しくなったタナゴがたくさん生息していました。
オスは虹色に輝く美しい身体が特徴で、小さい頃家の水槽にはいつもタナゴが居ました。
そのタナゴはこの野守の池から獲ってきたものでした。

コウロンと言うペットボトルを大きくした容器に上と下に出入り口があり、その中に粉餌を入れて池に沈めておきます。
数分後に引き上げるとその中には大量のタナゴや川海老などがいっぱいに入っていました。
このタナゴ獲りが楽しくて父親によくせがんだことをよく覚えています。

そんな思い出の場所に立ち寄って見ようと野守の池に到着して、ある釣り人にお話を伺いました。
最近では残念ながらタナゴはいない。
もう随分前から絶滅しているはずだと。

あたりをよく見るとヘラブナを釣っているご年配者がいて、その対岸ではルアーを投げている人がチラホラいます。
もしかしかしてブラックバスですか?と聞くと、そうだよ、でもブラックバスだけじゃなくブルーギルも居るしミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)も大量にいる。
だからタナゴはこれらによって絶滅させられたと思うよ。と・・・。

在来種であるタナゴが絶滅し、外来種のブラックバスが生き残る。
ブラックバスもブルーギルもミシシッピアカミミガメも全ては人間が放流したもの。
これはこうした生態系の保護を全く考えない人間の仕業であると思うと、人間の業と言うかその罪深さにとても残念な気持ちを覚えてしまう。

でも今もこうして在来種のヘラブナを釣るおじさん達を見ていると、日本の原風景を今に伝えているヘラブナは凄いなと思う。
聞くと、ヘラブナはブラックバスに追われるけど、タナゴのように小さくないから食われるまではいかないとのこと。
それでも追われるんだなと思いましたが、必死に抵抗し生命を守るヘラブナには頑張って欲しい。

いつか自分もゆとりが出来たら、この野守の池で釣り糸を垂らす時が来るのだろうか?
タナゴが絶滅してしまったのは残念だけど、この池を守ってきたヘラブナに少し救われたような気がした一日でした。

ONE STEPヒロ