久しぶりに実家に帰ったら、親が前よりずっと長く寝ている。昼間もうとうとしていることが増えた気がする。年のせいなのか、何かあるのか、気になりますよね。
年齢とともに眠り方が変わり、寝床で過ごす時間や昼寝が増えることがあります。ただ、「急によく寝るようになった」「起きている時間の様子も変わった」という場合は、年齢だけのせいと決めずに様子を見ることが大切です。ここでは、厚生労働省の睡眠ガイドをもとに、年齢による眠りの変化と、家族が見ておきたい変化、相談先をまとめました。
年を重ねると、眠り方はこう変わる
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、高齢の世代について、次のようなことが書かれています。
- 体に必要な睡眠時間は、年齢とともに少しずつ減っていく
- 一方で、寝床で過ごす時間は長くなりやすい:必要な睡眠時間に比べて、寝床にいる時間が長くなりすぎる傾向がある
- 昼と夜のメリハリが弱まる:体内時計の変化で、日中に体を動かすことが減り、昼寝が増える
- 早寝早起きになりやすい
ガイドでは、国の調査で、高齢の世代は40〜50代に比べて睡眠時間が長くなる傾向があることも紹介されています。「よく寝るようになった」と感じるのは、こうした変化が重なっていることがあります。
「寝床にいる時間」が長すぎないか
よく寝ているように見えても、実際に眠っている時間より、布団の中で横になっている時間が長くなっていることもあります。
ガイドでは、高齢の方は睡眠時間よりも寝床で過ごす時間に目を向けることが勧められています。目安として書かれているのは次の2つです。
- 寝床で過ごす時間は、1週間の平均の睡眠時間(実際に眠っている時間)に30分ほど足したくらい
- 寝床で過ごす時間が8時間以上にならないようにする
必要な睡眠時間には個人差があるので、何時間と決めつけず、本人が日中にどう過ごせているかとあわせて見てください。長く寝床で過ごしすぎないことが勧められています。
日中に起きていやすくするには
昼間にうとうとしていると、つい「疲れているなら寝かせておこう」と思いますよね。
ガイドでは、長い昼寝は夜の眠りを妨げるため、日中の長い昼寝は避けて活動的に過ごすことが勧められています。高齢の方は、日中にできるだけ長く太陽の光を浴びることもすすめられています。家族ができることとしては、たとえば次のようなことがあります。
- 日中は、無理のない範囲で外の光を浴びる時間をつくる
- 体調に合わせて、無理のない範囲で、散歩や買い物、家のことなど体を動かす時間をつくる
- 昼寝をするなら、長くなりすぎないように声をかける
- 夜は明かりを少し落として、ゆったり過ごす
無理に起こし続ける必要はありません。本人の体調や好きなことに合わせて、昼と夜のメリハリが少しつけばいい、くらいに考えておくと続けやすいです。
家族が見ておきたい変化
眠る時間だけでなく、ふだんの様子と比べて何が変わったかを見ておくことが大切です。次のような変化があるときは、年齢のせいと決めずに相談を考えてください。
- 急に眠る時間が増えた
- 食事の量が減った
- 会話や、ふだんしていたことが減った
- 呼びかけへの反応がいつもと違う
- 夜に十分寝ているはずなのに、日中の強い眠気が続いている
いつごろから、どんなふうに変わったかをメモしておくと、相談するときに伝えやすくなります。
なお、突然、呼びかけても返事がない、意識がもうろうとしているといったときは、総務省消防庁の案内では、すぐに119番とされています。119番をするか迷ったときは、地域の救急相談窓口(#7119など)に相談することもできます。
どこに相談すればいい?
気になることの中身によって、相談先を分けておくと迷いにくくなります。
- 体調や反応など、体の変化が気になるとき:かかりつけ医などの医療機関に相談する。ガイドでも、日中の眠気が強い場合などは医療機関で調べてもらうことが勧められています
- 暮らし全体や介護のこと、これからどう見守ればいいか迷うとき:地域包括支援センターに相談する。市町村が設置している、高齢の方の総合相談の窓口です
離れて暮らしていると、様子が分かりにくいこともあります。親が住んでいる地域の窓口を、一度調べておくと安心です。
何時ごろ寝ているのか知りたいときは
高齢の方が実際に何時ごろ寝ているかは、何時頃に寝るの?高齢者の睡眠時間を口コミで知りたい方は!で体験談を集めています。年代別の睡眠時間の目安と寝る時間の決め方は、何時に寝るのがいい?|年代別の睡眠時間の目安と、寝る時間の決め方にまとめています。
まとめ
- 年齢とともに、必要な睡眠時間は減る一方で、寝床で過ごす時間や昼寝は増えやすい
- 寝床で過ごす時間は、平均の睡眠時間に30分ほど足したくらい、8時間以上にならないことが目安
- 日中は無理のない範囲で外の光を浴び、体を動かして、長い昼寝は避ける
- 急に眠る時間が増えた、食事や会話が減った、反応がいつもと違うなど、ふだんとの変化があれば相談を考える。突然、返事がない・意識がもうろうとしているときは119番
- 体の変化はかかりつけ医などの医療機関、暮らしや介護のことは地域包括支援センターへ
よく寝るようになったことだけで結論を急がず、ふだんの様子との違いも一緒に見ていくと、気づけることがあります。
情報源:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(令和6年9月18日一部修正版)、厚生労働省「地域包括ケアシステム」、総務省消防庁「救急車利用リーフレット(高齢者版)」(いずれも2026年11月1日閲覧)













